ひなたぼっこ~先生の、隣~
"キスの一つでもしてきなよ"
キス…
デートといえば、キス?
泰葉の顔が赤くなる。
でも、先生は前に"お前が怖がることはしない"みたいなこと言ってたし…
って、あれ…
キスとかって
怖いものなの?
「また、考え込んでるのか?」
ドキ
「先生!」
いつの間にか目の前には車が止まっていて、助手席の窓から先生の声が聞こえる。
「乗れよ」
泰葉は、慌てて車に乗る。
「おはよ」
ふっと笑って先生が言った。
ドキン
「お…おはようございます」
泰葉の頭を撫でると、車は走り出した。
ドキ
ドキ
さっき、香奈があんなこと言ったから意識してしまう。
泰葉が黙ったまま、シートベルトを握りしめていると…
「…身構えないでくださいよ」
ドキン
「え…」
「また、安川に何か言われたんだろ?」
「何で知って…」
「俺のとこにも、電話きた」
「!?」
「"先生、頑張って"だと」
香奈ってば、先生にまで…
泰葉の顔は赤くなる。