ひなたぼっこ~先生の、隣~
赤信号で車が停まった。
運転をしていた先生が、助手席に座っている泰葉に顔を向ける。
「言っただろ?お前が怖がることはしないって」
優しい笑顔で先生が言った。
先生…
すぐに青信号に変わり、先生は再び前を向く。
「…先生」
「ん?」
「あの…」
「何だよ?」
「私には、何が怖いのかわからないんですけど」
「…」
「…先生?」
先生は、黙ってしまった。
私、何かおかしいこと聞いたのかな?
「あの…」
「妹尾」
ドキ
「…はい」
「俺、頑張れるかわからない」
「?」