ひなたぼっこ~先生の、隣~
着いた場所は、花火会場の近くにある水族館。
花火まで時間があるため、水族館で過ごそうということになった。
夏休みのためか、周りは家族連れやカップルが多い。
「やっぱ夏休みは混むなぁ」
「ですね」
水族館の入口で、泰葉と先生はパンフレットを持ちながら辺りを見渡す。
「まぁ…これだけいれば、同じ学校の奴らがいてもバレにくいだろう」
先生が手を泰葉の目の前に出した。
泰葉はそっと、先生の手の上に自分の手をのせる。
「行こうか」
ふっと笑い、先生が泰葉の手をぎゅっと握りしめる。
「はい」
泰葉も頬を少し赤らめ、先生の手を握り返す。