ひなたぼっこ~先生の、隣~
「…また、俺を騙したな?」
「助けてほしいのは、本当だもん」
ここは、数学準備室。
花火大会の次の日の、出来事。
ソファーの真向かいに座っているのはー…
「…何かあったのか?麻生」
補習もないのに、学校に来ている麻生。
あの携帯番号は、麻生の番号だった。
"…先生、助けて"なんて書いてあるから、驚いたがー…
「先生って、やっぱ優しいよねー」
そうやって書けば、俺が心配して電話すると考えたらしい。
「…はぁ」
「溜息つかないでよ!助けてほしいのは本当だからさ」
「…」
「疑う目で生徒を見ないでよ!」
小さく溜息をつくと、視線を下に向ける。
「…で、何だよ?」