ひなたぼっこ~先生の、隣~
どこの水槽も人だかりで、見えなかったが…
握っている手の暖かさと、少しほんのり頬を赤らめた妹尾の顔を見るだけで、満足感でいっぱいになる。
こんなの、初めてだ。
次の水槽を見に行こうと、通路を歩いていると看板が見えた。
"イルカショー"と書かれている。
「イルカショーだって。見に行く?」
妹尾を見下ろして言うと、さっきとはまた違った表情を見せた。
「行きたいです」
満面な笑顔で言った。
「よし!行くぞ」
その表情が嬉しくて、つい会場までの足どりが早くなる。