ひなたぼっこ~先生の、隣~
「あ…」
しばらく沈黙になった。
きっと返事に困っているー…
「…なぁんてな」
ごまかすように、ニカッと笑って顔を上げる。
「そろそろ行こうか?あんまり遅くなると、道混むだろうし」
髪を整えながら立ち上がる。
「先生…」
「気にすんな」
先に歩き出す。
慌てて妹尾もハンカチを鞄にしまうと、追い掛けてくる。
「あ、安川にお土産とか買うだろ?」
「…はい」
振り返らず妹尾に聞くと、小さな声で返事をした。