ひなたぼっこ~先生の、隣~
花火が上がっている方向に向かって、車を走らせていたのだがー…
「あれ…」
着いた場所は、花火会場の裏側。
マジかよ…
シートベルトを外し、車から降りる。
花火の光で辺りが見える程度で、ほとんど真っ暗な場所。
…最悪だな。
自分に対して、溜息が出てしまう。
水族館から妹尾は、全く喋らないし…
せっかくの花火も、会場に着けなかった。
「妹尾…ゴメンな」
俺が謝ると、妹尾は大きく首を横に振った。
「本当…ダメだな、俺」
車のボンネットに体を預け、夜空に綺麗に打ち上がる花火を見る。