ひなたぼっこ~先生の、隣~
「…先生」
「ん?」
ゆっくりと、隣にいる妹尾に視線を向ける。
俯いて上着の裾を握りしめている妹尾が、ゆっくりと喋り出す。
「私、怖いとかそういうのじゃないです」
「…」
「ただ…その…」
なかなか、次の言葉が出てこない。
妹尾の視線が泳ぎ、必死に言葉を探しているように見える。
きっと俺以上に、妹尾は気にしていたんだと思う。
水族館からずっと黙っていたのだって、真剣に俺が言ったことを考えてくれてたー…
そっと腕を伸ばし、妹尾の髪に触れる。
優しく撫でる。
「気にするなって言ったろ?」
安心させるように、笑って妹尾に伝えた。