ひなたぼっこ~先生の、隣~
「ちょっと飲み物買ってくるわ」
「はい」
帰宅途中、コンビニに寄った。
車内に妹尾を残し、一人で店内に入る。
夜も遅く、ほとんど客がいない。
ふと、雑誌のコーナーに気になる言葉を見つけた。
【最近の女性に多い、情緒不安定】
雑誌の見出しで、麻生の姉のことを思い出した。
そして、今日はなるべく考えないようにしていた問題もー…
"どうしたらいいか、わかんないよ…"
まだ…
麻生に答えを出せていない。
「…っと、まだ考えるのはだめだ」
小さな声で言うと、雑誌の前で立ち止まっていた足を動かす。
コーヒーとお茶を買うと、コンビニを出て車に向かう。
「お前、お茶で良かった?」
車のドアを開けながら、車内に残っていた妹尾に尋ねる。
「あ…はい」
お茶を渡しながら車に乗り込むと、シートベルトを着ける。
暗い車内に、携帯のライトが光っていることに気付いた。