ひなたぼっこ~先生の、隣~

┗*先生 side




新学期が始まった。

授業やら…呼び出しやら…
生徒に振り回される日々が始まる。





「高橋先生、新学期が始まりましたね」



職員室に入ると、一番始めに声を掛けてきたのは妹尾のクラスの担任。



「神林先生。そうですね。また、今学期もよろしくお願いします」


「こちらこそ。今学期は、修学旅行もありますしね。頼みますよ」


「はい」



そうか…

修学旅行ー…



去年は他のフリーの先生が引率で行ったけど、今年は俺。




自分の机に鞄を置くと椅子に座り、鞄の中から必要なものを取り出す。





分厚い本が一冊、鞄の中に入っている。





"心のバランス"


という、タイトルの本。




本屋で探して買ってみたが…
精神面のケアがどれだけ大変なのか、改めて感じた。



「…はぁ」





「高橋先生!始業式、行きますよ」



遠くから、教頭が呼んでいる。



「はい!今行きます」




慌てて立ち上がると、体育館に向かう。






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