ひなたぼっこ~先生の、隣~
「高橋先生…と…」
「離せよ!!」
「もういいだろ!?」
「教室戻らせろ!」
さっき呼び出されたと思われる、生徒が3人。
「うるせーな。ちょっと、待ってろ!」
ブツブツ言っている生徒に一喝し、話を続けようとする。
「ん?それ、体育祭の分担表か?」
泰葉が手に持っていたプリントに、気が付いた。
「あ…はい。さっきまで、コンピューター室で実行委員会やってました」
「妹尾が実行委員なのか?」
「はい。くじ引きで決まっちゃって…」
「そうか。運悪かったな」
ぽんぽんっとと慰めるかのように、先生の手が泰葉の頭を撫でた。
「ま、頑張れよ」
ニカッと笑いながら言うと先生は、生徒を引き連れ、職員室とは逆の方向に行ってしまった。
先生が向かった方向には、生徒指導室がある。
…先生も、大変そうだなー…
「…よし」
私も、頑張らなきゃ!