ひなたぼっこ~先生の、隣~
「本当にいいの?妹尾さん」
「大丈夫!だから、立川くんは先に帰っていいよ」
「そう…じゃあ、帰るけど…無理そうだったら言って」
「うん。ありがとう」
玉入れの玉作りのために放課後、泰葉は一人で作業することになった。
打ち合わせのときは、いつも立川くんに頼ってばかりだもん。
これぐらいは、一人でやらなきゃ。
「それにしても…多いな」
目の前の机に置いてある材料は、約60個分。
本当はこの倍作らなきゃいけないんだけど、さすがに一人では無理。
だから、一人3個をノルマに作ってもらうようにした。
「よし、やるか」
自分に気合いを入れると、早速作業にとりかった。
その日から昼休みは中庭で、放課後は教室でひたすら玉作りをした。