ひなたぼっこ~先生の、隣~



学校が休みの日も、家に持ち帰り作ったから残りは10個。

期限までは、後2日あるから十分間に合う。

今日と明日で5個ずつ作れば、終わる!

放課後の教室で一人、気合いを入れ作業に取り掛かろうとしたときだった。


「妹尾!?何してんだ?もう、下校時間だぞ」

見回りで来たのか、驚いた表情をした高橋先生が教室に入ってきた。


「えっと…玉入れの玉作りを…」

あれ…きちんと、スーツを着ているー…

「あぁ。最近、中庭で真剣に何かやってるなぁって思ったら、体育祭の準備だったのか」

いつもは、ネクタイなんかしてないのに…ジャケットまで…


「何個作ったんだ?」


また…何かあったのかな?


「妹尾?」

「…え?あ…50個です」

名前を呼ばれハッと気付くと、いつの間にか向かいの席に先生が座っていた。


「50個!?」

「後、10個作れば終わりです」

「はぁー…すごいな。立川も同じぐらい作ってんのか?」

「いえ…立川くんには、クラスの話し合いの時に頼りっぱなしだから…このぐらいは、私がやらないと実行委員の意味がないです」

苦笑いしながら言うと、先生の手が伸びてきた。


「そうか!妹尾は偉いな!」


ニカッと笑みを見せ、髪をクシャクシャっと撫でてくれた。



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