ひなたぼっこ~先生の、隣~






泰葉の足音に気付いたのか、先生が顔を上げた。



髪が少し雨に濡れ、地面に雫が落ちる。




「先生!大丈夫ですか?」



先生の目線までしゃがみ、様子を伺う。



「…妹尾?」



眠そうな目をこすりながら、泰葉の名前を呼んだ。


「…良かった」



泰葉はホッと安心すると、あることに気付いた。




「…?」



先生が座っている横には、数冊の本が散らばっていた。





どれも数学には関係のない本。





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