ひなたぼっこ~先生の、隣~










「先生!やっと、見つけた」




校舎の中に入ると、バタバタという足音と同時に先生を呼ぶ声が聞こえた。






「皆待ってるよ?何してたの?」

声の持ち主は、麻生だった。




「わり…いつの間にか寝てたわ」

苦笑いしながら先生が言う。


「中庭で?…って、あれ…妹尾さん?」


先生の後ろにいた泰葉に気づいた。



ドキ



「妹尾さんが先生を見つけてくれたの?」


「え…あ…」


「ありがとうね。先生!早く、実行委員会行くよ!皆、待ってるんだから」


麻生が先生の腕をひっぱり、歩き出す。



「あ、おい…」




その勢いで、先生が持っていた数冊の本が音を立てて落ちた。


「先生ー…」


「お前がひっぱるからだろ…」



小さく溜め息をつくと、先生はしゃがみ込み本を拾う。



泰葉と麻生も、手伝う。






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