ひなたぼっこ~先生の、隣~
「よし!俺も手伝ってやる」
「え!?」
「何だよ、迷惑か?」
「いえ…でも…先生、どこかに行くんじゃないんですか?」
「何で?」
「だって…」
先生がスーツをきちんと着ているときは、大抵ー…
「…さすが、妹尾」
考えていることがわかったのか、先生はふっと笑いネクタイを緩めた。
「でも、用事は終わったから大丈夫だよ」
「そ…ですか」
「いつも心配かけて、悪いな」
「いえ…って…」
気付いて…?!
泰葉の顔が、カァーっと赤くなった。
「職員室であんなに視線送られたら、誰だって気付くよ」
「…っ」
恥ずかしくて、先生と顔を合わせていられなくなり俯いた。
「嬉しいよ。そうやって、俺の心配してくれる生徒がいてくれて」
俯いた泰葉の頭をぽんぽんっと撫で、顔を上げるように促される。
「…」
ゆっくりと、顔を上げるとー…
「ありがとな」
滅多に見せない、優しい笑顔の先生の表情が視界いっぱいに映った。
ドクンー…
「っ…」
私、いま、絶対…
さっきより、真っ赤になってるー…