ひなたぼっこ~先生の、隣~
「何が…生徒指導だよ…。俺、何もわかんねぇじゃん」
「先生…?」
独り言のように、先生が喋り出す。
「俺を頼って相談してきた生徒に、何にも答えを出せてあげれない」
「…」
「偉そうなこと言っといて…何もできない」
腕で顔を覆ったままの先生の表情は、泰葉には見えない。
でも、見なくてもわかる。
ふと、先生の机の上に置いてある本が目に入った。
中庭で見た、心理学の本だ。
相談してきた生徒ー…
それは、麻生さん。