ひなたぼっこ~先生の、隣~
そっか…
だからー…
「…先生は、いつもそう…」
今度は、泰葉が独り言のようにポツリと喋り出す。
「生徒の代わりに、謝ったり…頭下げたり…間違った行動をした生徒には、きちんと怒ってフォローもして…」
「…」
先生は覆っていた腕をゆっくり離し、俯きながら話す泰葉を見つめる。
「いつも、生徒のために一生懸命な先生が心配です」
「…妹尾」
「それに…先生は、情けなくないですよ。私には、今までの先生の中で一番の先生ですから」
顔を上げ、微笑みながら泰葉が言った。
「だから、無理だけはしないでください。私のことも…気にしないで…"その生徒"のことを考えて…ください」
最後の方は…また俯きながら言った。
「妹尾…」
先生は、真向かいに座っている泰葉に手を伸ばす。
そっと頬に触れ…
「ありがとうな…」
切なそうな表情で、囁くように言った。