ひなたぼっこ~先生の、隣~
「私…最近、ずっと考えてた」
「ん?」
泰葉がゆっくり話し、香奈が優しく相槌をうつ。
「"先生は私だけの先生じゃなくて、皆の先生なんだ"って…」
「…まぁ…学校では、そうなるのかな…」
「だから、だよ」
「…は?」
香奈は意味がわからないという顔をして、泰葉を見る。
「麻生さんと一緒にいるのは、当たり前のことだから…」
「…まぁ…確かに…そうだけど。いや、でも違うよ」
「違くないよ。先生は、生徒のことを一番に考えてるから」
いつも、生徒のために頑張ってる姿を私なりに見てきた。
先生がいれば、何でも解決できると思っていた。
でも…
"…情けないな…俺"
"何が…生徒指導だよ…。俺、何もわかんねぇじゃん"
"俺を頼って相談してきた生徒に、何にも答えを出せてあげれない"
"偉そうなこと言っといて…何もできない"
腕で顔を覆った内側は…
きっと、私には見せたくなかったんだと思う。