ひなたぼっこ~先生の、隣~
「帰らないで…」
麻生の腕が首にまわる。
「一人じゃ…嫌だよ…」
必死にしがみついているように、麻生が抱き着く。
「…」
"生徒の家庭の事情に、あまり首を突っ込まないように注意してください"
ゆっくりと、首に回っている腕を離す。
「…明日、病院行くとき迎えにくるから」
"貴方は、ただの教師なんですから"
「姉ちゃん、きっと一人で心細いだろう。早く家に入れ」
"あの子を、支えてあげてください"
「…わかった。」
俯きながら言うと、麻生は車から降りて行った。