ひなたぼっこ~先生の、隣~
┠*距離
「くぁー!やっぱ地元は落ち着くわ」
「たった二泊三日でも、やっぱ地元っていいね」
私達は今、広島から新幹線に乗り、駅から貸し切りバスに乗り換えて学校に着いたところ。
バスの窓の外を見てみると、数人の先生が出迎えにきている。
その中に、高橋先生の姿があったー…
先にバスから降りて行った学生主任と何か話した様子だったが、すぐに顔をバスに向け笑顔で生徒を迎える。
「あ、高橋ー!」
「先生!どうして途中で帰ったの?」
「…ちょっとな。それより、お前ら悪さしなかっただろうな?」
バスから降りた生徒が次々と、先生の周りを囲う。
「泰葉、私達も降りるよ」
隣に座っていた香奈の後を追い、泰葉もバスから降りる。
「げ…高橋の周り、生徒ばっか」
香奈が小さな声で言う。
「はは…人気あるよね」
その言葉に、泰葉は苦笑いをする。
荷物をバスの下から降ろし終えると、各自解散となった。