ひなたぼっこ~先生の、隣~
┗*距離 先生side
妹尾たちが帰ったあと、しばらくその場から動けずにいた。
"…なんでも…ないです"
妹尾はそう言って帰ったが、きっと何かを言いたかったのかもしれない。
「高橋先生、何してるんですか?」
背後から低い声が聞こえた。
振り返ると、キャリーバックを持った立川がいた。
「…立川こそ、他の生徒はみんな帰ったぞ」
「担任に修学旅行の感想文を頼まれたんで、用紙をもらいに行ってたんです」
手に持っている作文用紙をヒラヒラさせながら言った。
「そうか…実行委員長は最後まで大変だな。じゃあ、気をつけて帰れよ」
立川の肩をぽんっと叩いて横を通り過ぎようとしたとき、耳を疑うような言葉が聞こえた。
"先生から、妹尾さんを奪いますよ"