ひなたぼっこ~先生の、隣~
立場
「泰葉!おはよう」
「おはよう。香奈」
先生と別れて数日が経った。
「げ…高橋の授業あるじゃん」
香奈は、私と先生が別れたことを知っている。
知ったその日から、高橋を嫌いになったらしいー…
「寝ようかな」
「ダメだよ…」
麻生さんが常に、先生と一緒にいるのをよく見るから余計にー…
「高橋!」
ドキ
麻生さんの声ー…
ゆっくりと視線を向けると、二人で並んで歩いている。
とても楽しそうー…
「なに…あれ…」
隣に立っている香奈をチラッと伺うと、眉間にシワを寄せている。
「行くよ!」
「ちょ…」
香奈が泰葉の腕をつかみ、ズンズンと歩きだす。
「高橋せ・ん・せ・い」
先生と麻生さんの目の前まで行くと、イヤミったらしい声で言う。
「胸がムカムカするので、保健室で休んでますから。次の授業は、欠席で」
「香奈…」
「行くよ。泰葉」
再び腕を引っ張られる。