ひなたぼっこ~先生の、隣~
「教師の役目とか、生徒のためとか…結局は、生徒を傷つけてることわかりませんか?」
ドクン
「…わかってるよ」
立川の言ってることは、正しい。
「わかってないです」
「わかってるって…」
「だったら、妹尾さんの気持ちわかりますか?」
妹尾のー…?
「俺が麻生の母親に"先生は職員室"と伝えた後、妹尾さんは慌てて追い掛けて行きました」
「…」
「"また先生に負担がかかる"って思ったんでしょうね。だから、この準備室に母親を案内した」
「…」
「その気持ち、わかりますか?」
立川の目は真っ直ぐと、俺を見つめる。
その目が何故か恐くて、目を逸らしてしまった。
「わかってる…だけど、今はー…」