ひなたぼっこ~先生の、隣~
「本当にいないんだー…」
この声ー…
意識を扉の向こうに集中させる。
「さっき…香奈と立川くんに対して、キレちゃった」
「…」
「だって、先生のことをヒドく言うんだもん。傷つくだけとか、振り回されてるだけとか…都合のいいように使われるとか」
「…」
「周りから見ると、私ってそんな風に見えてたのかな?」
「…っ」
「でも、私はそんな風に思われててもいい。だけど、先生を悪く言われるのは嫌」
さっきよりも声が力強くなった。
「これ以上、先生を苦しめないで…」
「私が傷つくときは、先生が傷ついたときだからー…」
ペタン…
再び足音が聞こえ始めた。