ひなたぼっこ~先生の、隣~
「…どうして私ばっかり…一人にさせるの?」
「麻生…」
「お母さんはお姉ちゃんばっかり見てて…お父さんは家に帰って来ない」
「…」
「誰も私を見てくれない。本当は辛いのに…」
「…うん」
「私だって、甘えたい」
「…うん」
「寂しいの…」
「…うん」
「…お母さん」
麻生は涙を流し、力なく喋る。
この言葉全てが、麻生の本心だと思った。
大人ぶっていても、まだ16歳。
心の奥底では、まだ母親に甘えたいと思っていたんだろう。
でも、現実ではそれができない。
その感情を誰に向けていいのかわからず、苦しんでいたんだろう。