ひなたぼっこ~先生の、隣~








「…ごめんなさい」



涙を流しながら謝る麻生を、母親が抱き締める。





「謝るのは、私の方よ。楓に甘えてばかりで…母親失格だわ」




首を横に振る麻生の頭を、母親の手が撫でる。





「新しい環境になったら、あなたを寂しい思いなんかさせない」



「お母さん…」




「楓…本当にありがとう」









涙を流しながら、お互いの存在を抱き締める。






その様子をしばらく見守っていたが、静かにその場から去る。






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