ひなたぼっこ~先生の、隣~
「…私、もう学校に来ないつもりだったんだよね」
泰葉の手を離しながら、麻生が喋りだす。
「え…」
「でも、高橋が最後まで楽しんで来いって」
「…先生が?」
あの噂がたった日から、先生は学校にいないはずー…
「後、謝るなら直接謝って来いだって」
「え…」
謝るって…
「前に言ったよね。"高橋と、別れて…"って」
ドキン
「まさか、本当に別れるなんて思ってなかった」
「…あれは…」
「ごめんね」
「え…」
「私、最低なことを妹尾さんに言った。傷つけて、ごめん」
切なそうな…悲しい表情をして麻生が言った。
泰葉は首を横に振る。
「…麻生さんのせいじゃないよ…私が…」
何か言おうとする泰葉の口に、麻生の指が触れる。
「妹尾さんは、悪くない。本当に悪いのはー…」