ひなたぼっこ~先生の、隣~
伝える気持ち
「妹尾さん、こんなとこに呼び出して…何かあったの?」
心配そうな顔をして言うのは、立川。
放課後、泰葉は立川を中庭に呼び出した。
「…立川くんに、言わなきゃいけないことがある」
泰葉は握っていた拳を、より強く握る。
「私…」
「待った!」
立川の開いた手が、目の前に出された。
「え…」
「わかってるから」
開いていた手がゆっくりと、拳に変わる。
「妹尾さんが、どれだけ高橋を想っているか」
ふっと笑って立川が言った。
「立川くん…」
「この間は、勝手なことばかり言ってごめんね。妹尾さんの気持ち考えずにー…」
「ううん…私こそ…」
泰葉は首を横に振り、最後はー…
「ごめん」
たくさんの意味を込めて、頭を下げた。