ひなたぼっこ~先生の、隣~
「やめろって…」
叩かれている腕がジンジンと痛む。
「…先生」
叩いていた手が止まると同時に、麻生の声のトーンが変わった。
「確かに、私はお母さんから愛されたかった。だけど」
「…」
「先生からも愛されてみたかった」
麻生の手が、腕をぎゅっと握りしめる。
「麻生…」
「ってね!一応、伝えておきたかったんだ」
ばっと手を離すと、扉に向かって歩き出す。
「高橋、色々ありがとうね。じゃね!」
後ろを向いたまま、手をヒラヒラとさせている。
「麻生!」