ひなたぼっこ~先生の、隣~
その頃泰葉は、応援席に戻る気がせず、いつもの中庭にいた。
出場する競技も午前で終わったし、実行委員の仕事も、後は片付けだけ。
戻ってクラスの応援しなきゃいけないけど、さっきの話聞いたら…居づらい。
"泰葉って何も言わないし、影薄いしね"
自分でも思っていたことだったけど、香奈にまで言われると…
体育座りをしている膝に、顔を埋める。
"妹尾が一番、無難だから"
自分で、そういう存在でいいって決めた。
先生のためならー…
ずっと、そう思っていたのに
「…ふ…ぅ」
どうして涙が出るの?
「ずっ…ふ…」
先生…
私をずっと、そういう風に見ていたんですか?