ひなたぼっこ~先生の、隣~
「泰葉!どこ行ってたの?」
応援席に戻ると、香奈が駆け寄ってきた。
「あ…ちょっと、実行委員のやつで…」
苦笑いしながら答える。
「大変だねぇ…あ!そうそう」
香奈が耳元まで近付いてきた。
「高橋と、このあと準備室で会う約束しちゃった」
ドクン
「だから、もう高橋連れて来なくていいよ」
嬉しいそうな顔をして話す香奈に、"良かったね"とは言えなかった。
応援席の隣にある本部を見ると、高橋先生が生徒に囲まれている。
あそこからメールを送ったのだろうか?
私が、話を聞いていたって気付いたのだろうか?
香奈に、告白されたら
先生はOKするのだろうかー…?
って、何考えてんの…私。
視線を元に戻し、最後の実行委員の仕事に向かう。