ひなたぼっこ~先生の、隣~






今年の体育祭は、32HRが優勝。
私達21HRは、下から3位の結果で終わった。








「一ヶ月間、お疲れ様でした。俺達3年は今年で最後だけど、来年はお前らで体育祭を盛り上げてな」


「「はい!お疲れ様でした」」




片付けも終わり、実行委員長の最後の言葉で解散となった。




生徒のほとんどは、もう帰っている。





香奈は、まだ準備室ー…?




「妹尾さん」





「…委員長!」



さっき最後の挨拶をした、実行委員長が話し掛けてきた。




「借り物競走のときは大変だったね」




「あ…はい。いきなりでビックリしました」




「高橋先生から紙に何て書いてあったか聞いた?」




「いえ…」




「そうなんだ。なら、君にだけに教えてあげるよ。はい」





しわくちゃになった紙切れを渡された。





これ…借り物競走の…




くしゃくしゃになった紙を、ゆっくり開く。







「冗談で書いたのに、本気でとられちゃってさ。文句言われたよ」





ドクン





「真面目というか…誠実というか…」





先生…






「あ、この内容は僕しか知らないから!大丈夫だからね」





どっちが本当ですか?





「じゃ!後は、よろしく」











くしゃくしゃだった紙が、より一層くしゃくしゃになった。





[本音で答えてください。あなたが特別に想う生徒は?]






"妹尾が一番、無難だから"


と、生徒の前で言った先生。







"冗談で書いたのに、本気でとられちゃってさ。文句言われたよ"



と、委員長の前で言った先生。





先生の気持ちは、どっちですか?






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