ひなたぼっこ~先生の、隣~
噂
私を好きってことー…?
「妹尾さん!」
ドキン
「…立川くん」
さっきまで一人で歩いていたはずが、いつの間にか立川が隣に並んで歩いていた。
「さっきから声掛けてるのに、何も反応しないから心配したよ」
「あ、ごめん…」
「いいよ。おはよ」
ふっと笑って、立川が言った。
「おはよう」
泰葉も少し微笑み、挨拶を返す。
またやっちゃった…
先生から電話があった次の日から、ずっとこの状態である。
「あ、妹尾さん。今日良かったら一緒に帰らない?」
「え?」
いきなりの誘いに、目を見開いてしまう。
「そんなに驚かないでよ。実は、兄貴が働いてるレストランの割引券もらったから、実行委員お疲れ様?みたいな感じで、一緒にどうかと思って」
鞄から割引券を取り出し、泰葉に見せる。
「えっと…」
今まで男の子から誘われたことがない泰葉は、どうしていいのかわからない。
「マジで!?嘘ぉ!?」
泰葉が返事に困っていると、近くを歩いていた同じ学校の女子生徒の叫ぶ声が聞こえた。
立川と泰葉の視線は、女子生徒に向く。