ひなたぼっこ~先生の、隣~
翌日、香奈と一緒に登校した。
周りからはヒソヒソ話と、たくさんの視線。
香奈に"大丈夫?"と聞くと、"まかせといて"と笑った。
教室に入っても同じだった。
遠くからヒソヒソと、香奈を見ながら話している。
いつも、香奈と喋っている女子生徒が恐る恐る話し掛けてきた。
「ねぇ…香奈。噂って本当なの?」
「…噂?」
香奈は昨日休んだので、噂のことは知らないふりをしている。
「高橋と付き合ってるんでしょ!?」
その一言に、さっきよりもたくさんの視線が香奈に向く。
泰葉も心配そうに香奈を見るが、その顔は笑っていた。
「アハハ!付き合ってないよ。どこから、そんな噂が出てきたの?」
笑いながら香奈が言った。
「準備室で抱き合ってるのを見たって子が…」
「よく密会してるって…」
「卒業したら結婚の約束をしてるって…」
昨日より、噂は大きくなっていた。
時が解決してくれるのを待つー…そんな呑気に思って、いいのだろうか…
泰葉がそんな心配をしているのと違い、香奈は笑っていた。
「抱き合っていたのは近いかな?」
「…近い?」
「高橋のやつ、準備室の机の引き出しに元カノの写真を大事にしまってあってさ。見せろ!って取り合いになっちゃって…その時じゃない?抱き合っているように見えたのって」
「「元カノの写真…?」」