ひなたぼっこ~先生の、隣~
香奈と教室で別れ、泰葉は特に行く場所もなく廊下を歩く。
香奈が言ってたことが、頭から離れない。
忘れようと、頬を叩いてみたりする。
「妹尾?」
ドキン
「何してんだ?」
高橋先生が段ボールを抱えて、近付いてくる。
「まぁ、ちょうど良かった。準備室まで手伝ってくれ」
泰葉に荷物を渡す。
先生を見上げると、ふっと笑った。
ドキン
つい、顔が赤くなる。
「…可愛い」
隣で小さな声で、先生が言った。
"…可愛い"
ますます、泰葉の顔は赤くなってしまった。