ひなたぼっこ~先生の、隣~
「俺がしっかりしなきゃいけないのに、お前の方がしっかりしてるよな」
「全然…しっかりしてないです」
「なんか…悔しいな」
真向かいに座っている泰葉の頬を、ぷにっと突く。
泰葉はいつも通り、ほんのり赤くなる。
それを見た先生は、机に身を乗り出し、泰葉の耳元で囁いた。
「初めては…俺がリードするから」
「!」
泰葉の顔は、真っ赤。
「冗談だよ!真っ赤になりすぎ」
ゲラゲラ笑いながら、泰葉の頭を撫でる。
「先生…」
見上げると、先生は笑うのを止めた。
「大丈夫だよ。お前が、怖がることはしないから」
そう言うと、先生は机の中の忘れ物を取り出した。
「そろそろ、戻るか。大掃除も終わった頃だろ?」
「あ、はい」
泰葉も慌てて立ち上がり、先生の後を追う。