『妄想物語』


「○○、よく寝てたな。」


寝てないけど…

「うん。なんか◇◇といる空気が心地よくて…」


そんなことを言ってふざけてみると、少し照れて笑いながらこちらを見つめる◇◇と目があった。



しまった…
『メガネ◇◇』なんだった…。

レンズ越しにこちらを見つめる瞳に心拍数がガンガン上がる。



すると◇◇は笑いながらそっと手を伸ばして私の頭をなでた。



その瞬間、私はとっさにグラスを置きながら

「あのぉ~ま、前から思ってたんだけどもっ、◇◇のメガネって素敵なメガネだよねぇ~!!!」

と◇◇からメガネを取り上げた。



取り上げたメガネをとりあえず自分でかけて

「わぁ~ぼやけてるぅ~!!!でもかけやすいなぁ~…」

だのなんだの言ってみる。




目の前に大好きな◇◇。

その目の前の大好きな◇◇が一番カッコ良くなるメガネ姿。

そんな◇◇に見つめられて最も幸せを感じる、頭をなでられるという行動をとられた。



もう幸せ過ぎてドキドキがピークに達してしまって、ついついそんな行動に出てしまった。



すると◇◇もグラスを置いて

「ちょっと、何も見えないからっ!返せっ!」と

本当に何も見えないらしく、本気で焦りながら私からいとも簡単にメガネを奪った。

そしてしっかりかけ直して
「バーカ」
と軽く怒る。



もう…
白状しよう。



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