『妄想物語』
「ゴメン。ただメガネ姿の◇◇に慣れなくて…」
「えっ?似合わないかな~?」
「そっちじゃなくて…こう…似合ってて…いや、似合いすぎてて…見てると…ドキドキしてパニックに…なって…」
うつむいて、すべてを白状する。
顔が赤くなるのが分かる。
「…うーん…どうしようもないので、とりあえず慣れて…」
◇◇はそう言うと私の腕を引っ張って、自分の方に向かせ、イタズラにニコッと笑って見せた。
数秒ジッと見つめてみたものの、やっぱりダメだと観念して、
「◇◇…無理です。お手上げです…。」
と無理矢理◇◇の腕に収まってみる。
すると◇◇は私の頭をなでながら
「大丈夫でしょ。どうせこれからもずっと一緒にいるし。
いつか慣れるよ。
…言っとくけど俺も死ぬほどドキドキしてるから。
…慣れなきゃなぁ~(笑)」
そう言った◇◇の腕にギュッと力が入って、つくづく思った。
(あぁ~…私はこの人といる以上、一生ドキドキから逃れられないな。)