『妄想物語』
数日後。
「今日は二人で飲まない?暖とれそうなもん、見つけたから○○にプレゼントしようと思って。よかったらまた電話でもメールでもいいから、返事ください。じゃあ。」
と留守電に◇◇から伝言が残っていた。
仲間の中でも仲のいい方の私達だから2人で飲むのはそんなにビックリすることではない。
ただいつも心配なのは前の彼女とよりが戻ったなんて聞かされたらどうしようということ。
私が◇◇に惚れた時、すでに◇◇には彼女がいた。
すごくキレイでモデルさんみたいな優しい人だった。
彼女さんもよく飲み会に連れてきていた。
本当に気も利く人でそんな美人なんだから座ってくれてるだけで構わないのに…とみんなで言っても注文係をかって出てくれたりみんなの空いたグラスに細心の注意を配ってた。
手放したらもったいないってよくみんなで話してた。
私も頷いていたけど手放さないと私は報われないんだ…ってよく思ってた。
でも今年の春のことだった。
「俺、彼女と別れた。理由は言わない。」
とみんなに告げてきたのだ。
私は正直嬉しかった。
でも理由を言わないなんてよっぽど辛い別れだったのか…と思って素直には喜べなかった。
みんなが話すには振られた以外有り得ないだろうという勝手な結論にいたっていた。
しかし私は聞いたんだ。
二人で飲んでいるときにかかってきた電話。
携帯からもれてきた声は紛れもなくあの元カノの美人さんだった。