『妄想物語』
「よぉ!お疲れさん!」
待ち合わせの店に向かうと◇◇は元気に私に挨拶する。
「おつかれ…寒かったぁ~!もうヤダ!」
私は◇◇とは正反対に寒さにテンションを一度下げられてしまったため、素っ気ない挨拶になってしまった。
しかし◇◇はそんな私を笑顔で見ていてくれる。
だからか、体の芯が少し暖まった気がした。
「まぁとりあえず暖まれるよう、なんか頼みなよ。今日は俺が全部おごるから。」
◇◇は私にメニューを差し出した。
「いいの?じゃあお言葉に甘えます。ありがとう!!じゃあまず…熱燗で♪♪♪」
◇◇は「最初から熱燗て!」と笑い、その後店員さんに熱燗とビールを注文していた。
机の上に置かれた熱燗に心が踊った。
「いただきまーす!」
私はすぐさま熱燗に手をつけた。
芯から暖かくなって テンションは急上昇した。
◇◇はそんな私を見ながらやっぱり優しく微笑んでくれる。
ふつうの男だったら引くであろう私のこんな姿も笑って見ててくれる。
それからたわいもない話をして、そろそろお開きな空気になってきた。
「帰るか。二人ともこれ以上飲んだら完全に酔っぱらうだろ?」
「そうだね!帰ろー。」
◇◇は立ち上がり帰り支度をしてレジに向かった。