『妄想物語』
店を出るとすぐさま、冷気にいい感じの酔いをさまされた。
「…ははっ、またテンション下がってるじゃん、○○。そんなテンション下がってる○○には悪いけど、あそこの角の公園寄ろう!寒さ、しのぐプレゼント渡したいから…」
何だかよく分からなかったけど飲み代もおごってもらったし、誘ったのは元カノさんとよりを戻した話をしたいから…でもなくて安心したので頷いた。
公園に着くと明かりのすぐ下にある、ベンチに座った。
「なんだろう?寒さしのぐって…手袋とか?マフラー?…えぇ~毛皮のコートなんてもらえないってぇ~!!!」
ベンチに座ってから数分、なかなか喋り出さない◇◇。
その空気に緊張して私はしょうもないことを口に出した。
しかしいつもみたいに笑ってもくれない…。
下を向いて、黙ってすべったことを後悔していると◇◇が突然こう言った。
「…なぁ、俺で暖、とれば?」