私と彼の関係
「そういうことなら言ってくれればよかったのに。私はののかちゃんを送るわ」


「何を言った?」


 宮野君は不思議そうにののかちゃんに問いかけるが、ののかちゃんは笑顔を浮かべるだけだった。


 何を言ったんだろう。


 私はそれが分からないまま、家を出た。


「ののかちゃんってよく来るの?」


「まあね。あいつの父親が家を留守がちだったから、よく家に来ていたんだ。その名残みたいなものじゃないかな」


 彼女は昔からあの場所に当たり前のようにいたんだ。


 だから彼女があの場所にいても違和感はなかった。


 私の何倍も宮野君の家のことを知っている彼女が単純に羨ましかった。
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