私と彼の関係
 彼は呆れたような顔で私を見る。


「これ、三十七度どころじゃないだろう。家で大人しくしてろよ」


 返す言葉もない。


 ただ一緒にいたかった。


「だいたい、そんな体でうろつかれたら、他の人にも迷惑だろう。風邪もうつるかもしれないし」



「ごめんなさい」


「だから大人しく帰ること」


 宮野君にもうつしてしまうかもしれないよね。よく考えたら。


「家まで送るよ」


 私は彼の言葉に頷く。


 でも、歩こうとするが意識がもうろうとし、足がふらつく。


 彼が私の腕を支えるようにつかむ。


「とりあえず座ろうか」


 帰れといわれたり、座れといわれたりよく分からないけど、彼に言われたとおりにすることにした。


 彼は私を近くのベンチに座らせると、電話をかけていた。


 どこにかけているんだろう。


「車を出して欲しいんだけど」
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