私と彼の関係
「いいの?」


 笑顔でうなずいた彼女の家に行くことになった。


 彼女の家はそこから十分ほど歩いた場所にあった。そのあたりは宮野君の家の近くだ。


 幼馴染だから当たり前だけど。


 住宅街の一角に、ひときわ大きな家がある。


 その家に里崎と書かれていた。


 そこが彼女の家なのだろうか。


 彼女は家の前に来ると目を細めていた。



「ここです」


「広いね」


 思わず出た言葉に彼女は少しさみしそうに笑っていた。


 私はその表情で無神経なことを言ってしまったことに気づいた。


 彼女にとっては一人暮らしはあまりいいことじゃなかったのかもしれない。


 いつから一人で暮らしているんだろう。


 小学生の時に離婚したということは、そのあたりから一人で暮らしていたんだろうか。


「気にしないでください。小さいころからあまりお父さんと暮らせなかったから」
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