私と彼の関係
 彼女はそういうと家にあげてくれた。


 家の中はすごくきれいだった。


 彼女に案内されるまま、やわらかいソファに座ると、彼女は荷物を置き、台所に入る。


 私はその間、家の中を気にしながらも、うつむいていた。


 しばらくたつと、強い香りが届く。顔をあげると、白いカップとクッキーをお皿に乗せたののかちゃんがいた。


 彼女はそのカップをゆっくりと並べる。クッキーは私のほうに置いてくれた。


 ののかちゃんが座るのを待って、私はその紅茶に口をつけた。


 それを口に含む。


 クセのない香りが口の中に広がる。


「おいしい」


 その言葉に彼女は目を細めていた。


「クッキーもよかったら食べてください。お口に合うかわかりませんが」


 私はお礼を言うとそのクッキーを食べた。


 さくっとした歯ごたえのバタークッキーだった。
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