私と彼の関係
 花火大会の日、十二時くらいに彼女はきてくれた。浴衣をきせてくれたあとに、髪の毛は後方で結ってくれる。


 ただ洋服と髪型が変わっただけなのに、まるで別人みたいに見えるのが不思議だった。


「すっごく似合うね。可愛い。きっと宮野君もそう思うと思うよ」


 思ってくれるのかな。そうだったらうれしいけど。


 あいは宮野君が来るという時間の少し前に家に帰った。


 宮野君が来るまでの時間、何度も気になって自分の姿を鏡でチェックしていたりしていた。


 長いドキドキする時間を過ごし、チャイムが響く。一瞬心臓が激しく跳ねる。そのまま玄関にかけつけると、宮野君の姿があった。


「インターフォンで応じないと不用心……」


 彼は唐突に言葉を着ると、私をじっと見ていた。


「そうだね。時間だから宮野君だと思って思わず開けていたの」


 でも、宮野君はその場に固まったままだった。


 何かおかしいのかな。裾がめくれているとか?


 思わず確認するけど、おかしいところはないと思う。


 似合ってないのかな。
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