私と彼の関係
「やっぱり飲み物でも買ってきたらよかったかな。何か、買ってこようか?」


 そう優しく笑ってくれた彼の笑顔に胸が苦しくなる。


 少しでも彼に好かれたくて、特別になりたくて。好きでたまらない。


 彼の言ってくれた条件にほかの人を好きになったらはあった。


 でも、互いを好きになった条件は含まれていない。私が好きだと口にしたら、私たちの関係はどうなる?


 本物になれるのかな。


 そのとき、そっと頬に手を差し出される。


「やっぱり人の多いところで見たい? まだ時間があるし戻っていいよ」


 優しく微笑む彼によけいに胸が苦しくなっていく。


 私は何度も首を横に振っていた。


 やっと誘えたのに、それは好きと口にする勇気はなかった。


 私の十七歳の誕生日のことを告げたら、おめでとうって行ってくれるかな。


 それとも重いって感じる?
< 172 / 235 >

この作品をシェア

pagetop