私と彼の関係
第十二章　届かない思い
　翌日になっても気分は晴れず、気の向くままに家を出た。ふらふらと歩いていると、携帯が鳴る。



　思わずメールを開くが、メールを送ってきてくれたのは昨日の岸川さんだった。


　彼からされた告白が頭を過り、余計に頭が混乱していた。考えてほしいと言われ、すぐに断ることもできなかった。



　宮野君の番号を表示し、ため息を吐く。


　メールでも送ってくれたらいいのに、一通も届かない。


　宮野君に昨日のことを相談しても、勝手にしたらいいと言われるに決まっている。


　分かっているから何も言えなかった。


　そのとき、私は宮野君の家の近くに来ていることに気づいた。


　さすがに連絡もしていないのに直接会いに行くということはできない。


　前みたいに偶然にあえる可能性だって低いのだから。


　踵を返し、家に戻ろうとしたとき、前方に見えた姿に思わず物陰に隠れる。

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