私と彼の関係
 そんな彼の言葉にほっとしていた。


 歩いている途中、洋風を思わせるつくりをしたお店が目に入る。


 そのショーウインドウからはぬいぐるみが並んでいるのが見えた。


 岸川さんと一緒にいることを忘れ、思わず足をとめ、お店の中をのぞいていた。


 ほかにも小物入れなど多くのものが置いてあった。


 中に入ってみてみたいなと思ったとき、ガラスに彼の影が映る。そこで彼がいたことを思い出した。


「ごめんなさい」


「好きなだけ見ていいよ。俺も買い物とか嫌いじゃないし」


「でも、長くなったりするから」


「気にしない。中に入る?」


 彼の言葉に甘えたくなり、お店の中に入った。


 私たちを出迎えてくれたのは明るい音楽だった。


 彼は私の見ていたぬいぐるみのところまで行く。


 そんなところに彼の優しさが伝わってきた。
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